なおの心象風景

詩のような散文のようななにかを書きつけています

遠い向こう側に海が見える
よく晴れた午後


わたしは家へ帰る道を知っている
迷わず帰ることができる不思議


もし異国の地からここへ突然来たら
何もかもが見知らぬ風景で
どちらへいけばいいかわからないだろう


記憶はすごい
昨日までのわたしが
ちゃんと覚えている


よく見慣れた家が目の前に現れる
わたしたち いつも さあ家に帰ろう
というけれど
それは家がそこにずっとあると仮定した想像の世界


いつもの家と思ったら違った
昨日とは違う家
今日だけの特別な家
一晩眠るごとに家は毎日生まれ変わる
朝起きると当たり前のように
家に守られているけれど


毎日雨や風から守ってくれている
それが家です
おかげで安心して寝たり食事をすることができます
夫婦喧嘩さえも見守ってくれている
ずっと家にいることが飽きたかと思えば
束の間捨て去り
ちょっと旅行などへふらっといき
また当たり前のように家に帰ってくる
それでもなお
家はなにもしゃべらずにただ静かです


家はどこかに行きたくなることってないの?
わたしは家に問いかけました
家は黙ったままでした