なおの心象風景

詩のような散文のようななにかを書きつけています

仮面

雨一粒が手の甲に落ちる

私の細胞内へ染みていく


私は世界から期待された私になろうとする

普通や常識といった呪縛が私の首を絞める

妻である私

長女である私

娘である私

それらからの期待から逃れたい時がある

それらの役割を全て取った時残る私はなんだろう

ただの人間であり女です


それらの役割を演じることで生かされていることは重々承知しているし

感謝している


でもそれの期待が自己を覆い尽くす時がある


自分が誰だかわからなくなる


自分が良い主婦だとは思わない

けれど主婦の仮面を捨てたくなる時がある


たまには捨てたらいいさ

それが人間ってもの


飽きるとはその状態が当たり前になりすぎて感情が麻痺してしまうことをいう


ならばときには逃げたらいいさ

そうしたらまた喜んで主婦ができるようになるから